風の強い日
全身に痛みを受け
人は皆、心が痛いと言う
ある人は言った
心が痛いのは人の心が美しすぎるからだと
幾多の心の中
風を切り 風に流され 風を受け入れ
私は雲の様に生きてゆく
春の風が吹く
想いが風にのり消えてゆく
この未来に何が待ってるかはわからない
過ぎ去りし過去 忘れられし思い出
全ての想いが繋がっていると信じて
またくる春を想う
透明のクラゲを観る
温度のある空に
空気の
染める
Silent Blue
温度が
失ってゆく
失ってゆく
そよ風
運ばれる情景
モーツァルトの青の情景
血管が
収縮する
収縮する
愛らしき呼び声
壁の中で砂の時計が静止する
目を透き通せば
それは言葉ではない
それを纏った魂
或いは心
色と色を繋ぐ
縁起
光と光を繋ぐ
木の葉
色と光を繋ぎ
木の葉は縁起との
出会いによって
木の葉となる
そして
それは風
それは心
それは詩
ひとは歯車 人間メリーゴーランド
わたしは廻る廻る欠片のひとつ
上へ参ります
ここは満員いっぱいです
ここは小人の戦場です
ここはエーテルの海原です
そして、ここは最上階
わたしは巡る巡る世界のひとつ
メリーゴーランドは止まらない
空の澄み渡る昼下がりにも
小雨の吹き抜ける演奏会の日にも
青く透ける詩を歌い続けなきゃ駄目ですか
今すぐにも、夏がまあるく開くといいのに
(河から上がった化石の本を持ってゆけ
夏が馳せ降りてくる雨上がりには
沈んでゆく貝殻を横目で見送れ
歌のページの捲られる頃に)
其処に灰が舞い散る故に
瞳を焼く螺旋のように
大義を落とした青年の
其処に灰が舞い散る故に
振るえる小指と合わせ鏡と
或いはシガレットの焦げ後と
此処に連ねた其々一つの道
これら廻る、紆余曲折
ゆく塵、雲の誘い、様々に
無花果の花々織り交ぜながら
心の交差点の行方にも
去りゆく虹の彼方にも
(其処に灰が舞い散る故に
亡霊の跡、或いは居場所には
確かに夢の救いが見えたのに)